認知症の予防
「認知症予防」についてシリーズでお伝えします。
まずは「食事編」からです。
次に「飲み物」最後に「日常生活編」です。
最後までお付き合いください。
※認知症を完全に防げるものは現時点ではわかっていません。
あくまでも可能性を下げるということになります。
- インドはアメリカの4分の1しか認知症になっていないことから、カレーに含まれるターメリック(クルクミン=ウコン)がよいのではと言われている。
- 動物実験でターメリックは記憶力を高めた。
- 認知症の原因物質とされているアミロイドタンパクをクルクミンが分解した。
野菜を多く食べている人のほうが認知症になりにくかった。
特に緑色の葉野菜。(ほうれん草・ブロッコリー・レタスなど) サプリメントは効果なかった。
魚を多く食べている人は認知症になりにくかった。1日1回食べている人が最もなりにくかった。
特に青魚。(さんま・マイワシ・さば)
果物を進んで摂取しましょう!
果物は野菜と同様に体や脳を酸化させない物質が含まれていますので摂取するのが望ましい。
トランス脂肪酸は認知症の危険因子です。トランス脂肪酸とは、植物性の油に水素を加え、人工的に製造した油のことです。マーガリンやショートニングに多く含まれています。
お菓子やパン作りの材料であり、これらに多く含まれているようです。
甘いものは認知症になる危険が高まります。「高インスリン血症」の人は認知症になりやすい人です。
お茶を飲んでいる人は、認知症になりにくかった
ちなみに朗報!
お茶の消費量は長崎は3位! 静岡1位・京都2位(2004-2006年)
ワインを飲んでいる人は全く飲まない人に比べて、認知症になりにくかった。※3~4杯(Lemeshow,1998)
ウイスキー(蒸留酒)は認知症になりやすかった。※種類問わず少量なら良いという報告も。
脳や体を ”酸化” させないことがいいようです。
★小括★
- ビタミンC(ブロッコリー・かぼちゃなど)
- ビタミンE(たらこなど)
- ポリフェノール(ぶどう・りんご・お茶・ウコン・オリーブ)
- 旬な青魚(DHA・EPA)
- その他 海藻・適量飲酒
人とのつながりを持っている人は、持っていない人より認知症になっていなかった。
孤独な人は孤独でない人に比べ、認知症になりやすかった。しかし②、・・・
子供に会ったり電話したりする頻度が週1回以上の60歳以上の高齢者の割合
趣味を多くもっている人は、認知症になりにくかった。
- 読書・新聞、友人宅訪問、映画や外出、散歩や旅行する人(Scarmeas,2001)
- 旅行、園芸、編み物する人(Colette,1995)
- 読書、ボードゲーム、楽器演奏、ダンスする人(Verghese,2003)
- 園芸、家事、編み物、ボランティアする人(Wang,2002)は認知症になりにくかった。
定年後どうしている? 世界11か国で調査
1 位 | 2 位 | 3 位 | |
日本 | 趣 味 | ボランティア | 何もしない |
オーストラリア | 趣味 | ガーデニング | ボランティア |
中 国 | 家族の世話 | ハイキング | スポーツ |
英 国 | ガーデニング | 趣味 | ハイキング |
フランス | ガーデニング | 家族の世話 | 読書 |
ドイツ | スポーツ | 旅行 | ガーデニング |
米 国 | 趣味 | 旅行 | スポーツ |
朝日新聞(アクサ リタイアメントスコープ06年から)より
1回15分の運動を週3回以上している人は週2回以下の人たちより認知症になりにくかった。
1日400メートル以下しか歩かない人は1日3キロ歩く人たちより認知症になりやすかった。
身体機能が低下している人は身体機能が低下していない人たちより認知症になりやすかった。
認知症の兆候として、転びやすい。
※運動が良いとする報告は数多く、信ぴょう性が最も高いとされています。
昼間多く寝る人は認知症になりやすい。逆に30分しか寝ない人はなりにくかった。9時間以上の睡眠時間の人はなりやすかった。
タバコを吸う人は認知症になりやすかった。受動喫煙も認知症になりやすい。
- 出典
-
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